悪路でも壊れにくいように頑丈で、変速機やワイヤー周りなどに泥が詰まりにくい工夫が施されている。そして乗車ができない場所では、選手たちは自転車を肩に担いで越えるため、担ぎやすさや軽さも求められる。
さらに、どんな悪天候でもシクロクロスレースが中止になることはまれだ。厳冬期のヨーロッパでは、ときに氷点下10度以下に冷え込むこともしばしばで、コースが氷に覆われることもあるが、それでもレースは開催される。つまり、冬に開催されるシクロクロスは、雨や雪、寒さ、そして路面の泥や氷など、自然との闘いでもあるのだ。難易度の低いコースであっても、天候次第でコースの印象はガラリと変わる。
シクロクロスの選手には、アスリートとしての基本的な強さや自転車を扱う優れた技術だけでなく、どんな悪条件下でもゴールをめざす強い精神力も求められている。(写真・文:フリーランスカメラマン 田中苑子/SANKEI EXPRESS)
■たなか・そのこ 1981年、千葉生まれ。2005年に看護師から自転車専門誌の編集部に転職。08年よりフリーランスカメラマンに転向し、現在はアジアの草レースからツール・ド・フランスまで、世界各国の色鮮やかな自転車レースを追っかけ中。