高月はマンガとアニメを何度も見て、その仕草や表情を完璧に自分のものにしたうえで撮影に臨んだつもりだった。実際、幸村のキャラを表現するとなると、高月はどこか消化不良に感じることが多かった。「気持ちは男の子なのに、例えば言葉遣いはすごい丁寧で『ありがたき幸せ』。結果的にすごく乙女チックになってしまって…」
悩む高月を見た及川拓郎監督(35)は、「マンガやアニメを意識しなくていい。君が感じたようにありのままの君で演じてほしい」と助け舟を出した。「生きた芝居をしなさい」と、よく監督や演出家に怒られたことが、ふと頭をよぎった。「幸村って舎弟として特別目立った行動もしない。存在感を出すにはどうすべきかと意識を変えました」。違うアプローチを試みると、及川監督から合格点が出るようになったそうだ。