インド・ナガランド州インパール【拡大】
ボースは45年8月、飛行機事故で亡くなったが、インドでは独立の英雄として尊敬を集め、国会にはガンジー、ネルーと並んで肖像画がある。戦後、イギリスはINA将兵を反逆罪で裁判にかけ、インド支配を強化しようとした。これに憤激したインドの民衆や兵士が反英闘争に立ち上がり、多くの死傷者を出しながら47年に独立を勝ち取った経緯がある。
共に戦った歴史
INAと日本軍の共闘が、インド独立につながったことは、47年当時15歳だったシン首相も知っているだろう。
安倍首相は第1次内閣当時の2007年の訪印時に、コルカタ市内のチャンドラ・ボース記念館を視察している。一方、今回の日印共同声明、共同記者発表、首脳会談のブリーフィングでは日本とインド独立をめぐる歴史の話題は出ていない。
首脳外交の場で、今や安保面で連携する英米との過去の戦争を持ち出すのは得策でないのだろう。一つの外交判断だ。それでも日本人は、インドとの間に共に戦った貴重な歴史があることは覚えておいた方がいいように思う。(論説委員 榊原智/SANKEI EXPRESS)