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いとおしく、もどかしい「相棒」 犬 乾ルカ (4/5ページ)

2014.2.2 16:30

日本三大がっかり観光地の一つ、時計台。ちなみに後ろのビルは、札幌市役所です=2014年1月21日、北海道・札幌市(乾ルカさん撮影)

日本三大がっかり観光地の一つ、時計台。ちなみに後ろのビルは、札幌市役所です=2014年1月21日、北海道・札幌市(乾ルカさん撮影)【拡大】

  • ジャーキーを前にすれば他のすべてがすっ飛ぶ乾家の愛犬、まるがお気に入りの札幌の風景をご案内します。トリミングから帰ってきて爆睡中…=2014年1月25日、北海道・札幌市(乾ルカさん撮影)
  • 「パーフェクト・ブルー」(宮部みゆき著/創元推理文庫、680円、提供写真)
  • 「ぼくの名はチェット」(スペンサー・クイン著、古草秀子訳/東京創元社、1785円、提供写真)
  • 【本の話をしよう】作家、乾ルカさん=2月15日(提供写真)

 「バーニー! 排水溝のなかを見てくれよ!」

 これが伝わらない。読者はチェットと一緒にはがゆさにもだえ、この手がかりがいつバーニーにもたらされるのかと、さらに読み進めずにはいられなくなるのです。

 シェルター、日本でいうところの保健所でしょうか。に入ってしまうという、犬ならではのピンチにも遭遇します。Xデーまで時間がない、チェットにはちゃんとバーニーという飼い主がいるのにどうなっちゃうの? というハラハラ感。鑑札を失い、ケージに入れられてしまった犬の無力さが、人間の相棒が敵の手に落ちてしまったときのハラハラとは、まったく別種のものにしています。

 純粋な愛情と信頼

 はるか昔、人間と犬は共存の道を選び、現在に至りました。人間同士の相棒関係もいいものですが、人間と犬-バーニーとチェットの関係には、特別なプラスが加わります。それは、バーニーに対するチェットの、純粋な「大好き」という気持ち。犬らしいストレートさで表現されるチェットの信頼と愛情、そしてバーニーがチェットにそそぐ愛情(離ればなれになっていた彼らが再会したときの喜びようときたら!)。

作家 乾ルカ略歴

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