西アフリカ・ブルキナファソに2カ月滞在したとき、お祭りで何やら黒っぽい物体がポリ袋に入って売られていた。バッタのような虫をフライパンで焦がしたおやつだった。
「食べてみる?」と地元の人がぬっと虫を突きだしてみせる。恐る恐る受けとって口に入れると、ぱりぱり香ばしいが何の味もしない代物であった。まずくはないが、おいしくもない。味付けもいまいち。日本では絶対に食べないだろうと思ったが、ブルキナではこれも貴重な食糧なのだ。
人は生きていくため無数の命を頂いている。哺乳類を殺し、育ちかけの植物を摘み取り、食べる。私たちにできるのは、自分たちを生かすために死んだ命に感謝しながら、おいしく食べることしかないだろう。(道丸摩耶/SANKEI EXPRESS (動画))