≪伝統に培われた技を新しい発想に生かすと「ものづくり」の可能性が広がる≫
天下の険と唄われた箱根。その山深く樹種も豊富な地は世界一の小木工技術の集積地として知られます。江戸時代、東海道の整備により湯治土産などとして広まり、その後漆器や陶器とともに輸出品として海外にも渡った箱根寄木(よせぎ)細工。その伝統に「無垢(むく)の寄木細工」の手法を確立し、工芸品としての新風を送り込んだ人物がいます。
今回は箱根旧道畑宿にある金指(かなざし)ウッドクラフト、金指勝悦(かなざし・かつひろ)さんを訪ねました。
新年の風物詩として多くのファンを持つ箱根駅伝の往路優勝トロフィーは、箱根寄木細工で作られていることをご存じでしょうか。2014年は、開催回数を表す90の層と、映り込む逆さ富士を表現した台座に聖火のように据えられた富士山のデザイン。美しい木で作られた複雑な文様、斬新さと繊細さを併せ持つ作品は、従来の寄木細工の概念を覆す力強さで何かを語りかけてくるようです。