フランスのグラフィックノベル「Le Transperceneige」を原作とした本作は、韓国を舞台にしたこれまでの彼の代表作とは、登場人物の国籍はもちろんのこと、ビジュアル的に似ても似つかない作風であり、はたして欧米の監督が撮ったのではないかとすら思えてしまう。監督は「僕はいつも何か新しいものを追い求めるタイプだから、1つの場所にとどまって同じことをするなんて退屈で、耐えられない体質なのかもしれません。僕が撮った『グエムル 漢江の怪物』『母なる証明』などは、冒険的な選択をした結果、生まれたものであり、その都度、自分の中にわき起こる『やってみたい』という衝動に、偶然的な要素が加味されてできた作品ともいえますね。『スノーピアサー』も同様です」と説明してくれた。
ただ、過去の作品と共通点があるとすれば、主人公の設定だ。「権力を持たない、平凡な暮らしを送る人々が極端に過酷な生活を強いられるような状況に置かれて、何か大きなことを成し遂げようと立ち向かう-そんな人物を描いてきたつもりです」。確かにこれまでの作品でも、さえない刑事や、知的障害を持つ息子を育てながらつましく暮らす年老いた母親を主人公に据え、降りかかってきた困難を突破していく姿を力強く表現してきた。