プロデューサーを務めた香港のウォン・カーウァイ監督(55)に見いだされ、ほとんど素人に近い台湾の若者、ホアン・ユィシアン(26)が台湾の青春映画「光にふれる」(チャン・ロンジー監督)の主役に抜擢された。ホアンは目が不自由ながらも卓越した表現力で聴き手を魅了する現役のピアニスト。元々人間が持っていたであろうみずみずしい内面世界を、大好きなピアノを奏でながら表現してきた。そんな彼の世界を映像美として結実させたのが本作だ。「ユィシアン」として本人役で登場するホアンは、「演技ができると聞いて、わくわくしました。アーティストとして、新しいチャンスに果敢に挑むことが僕のライフワークですから」と声を弾ませた。
魅力的な音楽
目の不自由な青年ユィシアン(ホアン)は、「得意のピアノで自立した生活ができるように」と願う母(リー・リエ)の意をくんで、故郷を離れて都会の音楽大学に入学した。ある日、経済的な理由からダンサーになる夢を諦めたシャオジエ(サンドリーナ・ピンナ)と出会い…。