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「感動」を売る番組の怪しさ 渡辺武達 (3/4ページ)

2014.2.26 10:35

2013年3月10日、宮城県石巻市の市立湊小学校で開かれた演奏会に出席した佐村河内守(さむらごうち・まもる)氏(右から2人目)。被災地のための鎮魂曲が、初披露された(地主明世撮影)

2013年3月10日、宮城県石巻市の市立湊小学校で開かれた演奏会に出席した佐村河内守(さむらごうち・まもる)氏(右から2人目)。被災地のための鎮魂曲が、初披露された(地主明世撮影)【拡大】

 虚偽への加担

 NHKスペシャルについては、筆者もかつて疑問を指摘した放送がある。2002年4月28日に放送された「奇跡の詩人」で、脳に障害がある少年が母親の手を借りて「文字盤を指すこと」で執筆活動をしていることを感動的に取り上げたものだ。しかし、「その速度が運動学的に常識を超えている」と、筆者は新聞で疑問を呈し、NHKにも指摘した。その時のNHKの回答は「制作担当者は真実だと言い、番組審議会でも問題とされていない」というものであった。

 佐村河内氏は、被爆2世として広島に生まれ、35歳の時に聴力を完全に失った。それ以来「絶対音感」を頼りに作曲しているというのが売りにされ、『交響曲第1番 HIROSHIMA』などがヒットした。筆者は改めてNHKスペシャルなどの番組を視聴したが、相変わらずの「感動」を売る制作パターンと、怪しさを感じた。

虚偽を事実のように伝えるのはプロパガンダ 『テレビ-「やらせ」と「情報操作」』

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