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「感動」を売る番組の怪しさ 渡辺武達 (4/4ページ)

2014.2.26 10:35

2013年3月10日、宮城県石巻市の市立湊小学校で開かれた演奏会に出席した佐村河内守(さむらごうち・まもる)氏(右から2人目)。被災地のための鎮魂曲が、初披露された(地主明世撮影)

2013年3月10日、宮城県石巻市の市立湊小学校で開かれた演奏会に出席した佐村河内守(さむらごうち・まもる)氏(右から2人目)。被災地のための鎮魂曲が、初披露された(地主明世撮影)【拡大】

 テレビが多くの視聴者を獲得するため、ストーリーのメリハリを際立たせるなどで伝達効果を高めるのは「演出」であり、その技術を磨くことは必要だ。しかし、虚偽を事実のように伝えるのはプロパガンダ(宣撫(せんぶ)工作)であり、「やらせ」という社会的犯罪だ。筆者の著書『テレビ-「やらせ」と「情報操作」』(三省堂刊)でも指摘している。

 07年にデータ捏造(ねつぞう)問題が発覚した関西テレビ制作で放映され問題となった「発掘!あるある大事典II:食べてヤセる!!!食材Xの新事実」で、納豆がスーパーやコンビニの棚から消えたことがまだ私たちの記憶に新しい。日本の放送局が相変わらず「感動を売る」番組作りを続け、週刊誌報道があるまでテレビも新聞も気付けなかったことは結果として、虚偽への加担であり、メディア関係者の連帯責任でもある。(同志社大学社会学部教授 渡辺武達(たけさと)/SANKEI EXPRESS (動画))

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