東日本大震災から3年目となり、改めて「復興の遅れ」が再認識されているが、福島の復興の前提条件として東京電力福島第1原発の汚染水コントロールこそが喫緊の課題だろう。
原子炉を冷やすために、いまも大量の冷却水を注入しているが、それが建屋に流れ込む地下水と一緒になって放射性物質を含む汚染水となり、1日当たり400トンずつ増え続けている。問題なのはその汚染水を止める決め手が見つからないことだ。
安倍晋三首相は3月10日の記者会見で「今年を復興が実感できる年にしたい」と語ったが、汚染水対策が進まなければ、住民帰還が遅れ、復興に向けた他のインフラ整備も進まない。さらに、原発をベースロード電源と位置付けた国の新しいエネルギー基本計画への国民の理解を得るのもなかなか難しいと考えるべきだろう。
福島原発の廃炉を担うために、昨年(2013年)夏に設立された技術研究組合国際廃炉研究開発機構(IRID)理事長で、京都大学原子炉実験所教授の山名元氏が(3月)7日、日本記者クラブで会見した。山名氏も「(壊れた原子炉内は)非常に複雑な状態にあり、その中で水が漏れている。応急措置で安定させているに過ぎない」と説明し、廃炉作業がいまなお暗中模索の状態にあることを改めて認めた。一方で、「相手の素性が分からない状況にあるが、それが分かれば技術は乗り越えられるだろうと思う」とも語り、そのために「国境を超えて技術支援を求めていく」と訴えた。