38万年以前探る有力候補
宇宙は一瞬で細菌1個が銀河の大きさになるような勢いで急膨張する「インフレーション」を起こし、その終わりに内部を満たしたエネルギーが熱に変わり、火の玉となってビッグバンが始まったと考えられている。それを裏付ける鍵と期待されるのが重力波だ。
宇宙誕生からしばらくは光が直進できないほどの高温高密度にあり、雲の中のような状態が続いた。宇宙がやがてわずかに冷え、見通せるようになったのは誕生から38万年後。このため、光や電波という従来の手段で観測できるのは38万歳の宇宙が最も若い。これより昔の宇宙を探るためには、雲の影響を受けない観測手法が必要で、重力波はその有力候補だ。インフレーションによる原始の重力波は、光にかすかな痕跡を残すため観測が可能と考えられ、発見が競われていた。
米チームは、空気が乾燥して観測に適した南極に最新の技術を駆使した望遠鏡を設置。宇宙の限られた範囲を精密に調べ、かすかに伝わる宇宙の産声を聞くことに成功した。(SANKEI EXPRESS)