春到来を思わせた。
女子ゴルフの今季第3戦、Tポイント・レディースゴルフ(佐賀県・若木GC)で優勝した24歳の昨季賞金女王、森田理香子の薄ピンクの衣装である。グリーン上でラインを読む静寂の時間に、コースの木々に休むウグイスの鳴き声が高く響いた。
森田のシャツの色に連想される桜花に、大輪はあり得ない。といって若く美しい女王に大木は失礼だろう。164センチは、日本選手としては大柄。手足も長い。
ゆったりと、よどみのないスイングながら、飛距離もトップクラス。2日目に同組でプレーした福嶋浩子は森田のプレーを「優雅で余裕のあるゴルフ」と評した。優雅と余裕の威風堂々に加えて、明るく伸びやかで、悲壮感がない。
1打差の首位でスタートした3月23日の最終日、硬さを増したグリーンで3バーディー、2ボギーの71で回り、74とスコアを崩した2位の原江里菜(26)との差を4打に広げる独走だった。最終18番、今季初勝利へ寄せればいいだけのバーディーパットも強めに打ってカップに弾かれた。この1打こそ、彼女の本領でもあった。