「テレビの仮面ライダーシリーズは僕が撮影中に『再起不能』とまで言われた大けがをしなかったら生まれなかったかもしれない。僕の大けがは無駄ではなかった」と語る藤岡弘、さん=2014年3月9日、東京都中央区(提供写真)【拡大】
バランスが大事
ライダーへの変身の仕方一つとってみても、藤岡は「気」を入れて変身していないことが気になって仕方がない。「デジタル処理された映像もきれいではありますが、変身する本人の力強さ、精神の強さ、悪を倒すという意志の強さに欠けるんですね。もしきれいな映像を取っ払ってしまったら、変身する人に何も残らず、何のメッセージも伝えられない正義の味方になってしまう。両方のバランスが大事なんです」。そんな意味で、藤岡の意をくんだかのような本作のシナリオは「実によくできている」と、藤岡は頬を緩めた。
「、」に込めた思い
ところで、藤岡の名前の最後にある「、」はどんな意味なのだろう。「『。』では、物事が終わってしまいますよね。武道を追究する者として、いつでも物事に不退転の決意で臨み、流されず、初心を忘れないようにとの意味を込めました。自分を鍛え、自分を戒めるためのものです。字画で選んだとかではありませんよ」。俳優業の傍ら、自前の道場では、弟子たちに真剣の振るい方、棒術、馬の乗り方を教えている。「日本の映像界を背負う未来の若者を育てたい」との思いでいっぱいだそうだ。