これまではどこか影のあるイメージの役柄の印象が強かったが、一転してピュアな少年役。「いつも特にどんな役がやりたいとかはないです。そのときいただいた話に興味があるかどうかで」選ぶ。本作の出演は、鈴木裕美演出というのが大きかった。「すごく細かく演出をつけてくれる、とか稽古が充実していると聞いていて。噂通りでした」。鈴木とは、幸人の心情を場面ごとに細かく「こうじゃないか」と詰めていく。森田は稽古中、体よりもまず頭が疲れたという。「裕美さんのエネルギーもすごいし、幸人の言葉にはなに一つ適当なところがないから。私生活もひっくるめて舞台に絡めとられています。すごく頭を使うので、稽古が終わって家に着いたらソッコーで寝ています」
下手でも頑張る
蜷川幸雄、宮本亜門…名だたる演出家の舞台を経験、着実に研鑽を積んでいる。舞台にこだわりは、と聞くと「裕美さんにも、テレビや映像やらないの、って聞かれましたが、(舞台が続くのは)たまたまです」としながらも、「確かに、舞台の作り方は自分に合っている。一つの役を長い間考えていられるし。今日はこんなふうに試してみよう、という欲も出せて楽しい。毎日同じことをやっている、という感覚は全くないです」と目を輝かせる。