ベルギー・首都ブリュッセル【拡大】
ただ、パンダの受け入れ先をめぐって、南部のパイリダエザ自然公園に決まったことに、国内最古の歴史を誇るアントワープ動物園がある北部が猛反発。ベルギーではもともと、フランス語圏の南部とオランダ語圏の北部が対立しており、険悪な関係を一層悪化させたといういわくがある。
中国は、対米国戦略の一環としても、EUとの経済関係強化を重視しており、習主席は自由貿易協定(FTA)の締結などに意欲を燃やしている。習主席は「広範なイメージを描くべきで、それがひいては中国だけでなく欧州の利益につながる」と語り、締結を呼び掛けた。
ただ、中国とEUの間では、ワインや太陽電池パネルの貿易をめぐる対立が勃発しており、交渉は一筋縄ではいきそうもない。
「パンダの貸与は、ベルギーだけでなく、EU全体との関係緊密化を図る中国の意思を示している」
ベルギー公共テレビは、習主席の視察をこう解説し、その狙いを見透かした。(SANKEI EXPRESS)