調査捕鯨訴訟の主な争点=2014年3月31日、オランダ・ハーグの国際司法裁判所、※裁判官16人(反捕鯨国の出身者10人(オーストラリア含む)、捕鯨支持国の出身4人(日本は小和田恒(ひさし)氏含む)、残り2人の出身国はIWC(国際捕鯨委員会)に加盟していない)【拡大】
Q オーストラリアはなぜ提訴したの
A 「クジラは高等生物だ」「絶滅の危機にひんしている」など反捕鯨の世論がある。ただ、提訴した2010年時の政権が、総選挙前に支持率低迷の起死回生策として使ったとの声もある。
Q 捕鯨をめぐる他の国の動きは
A IWCが1948年に設立された後、米国や英国、オーストラリアなどが反捕鯨に転じた。捕鯨国のうちノルウェーやアイスランドなどは、商業捕鯨の一時停止に対し、異議申し立てや態度留保を押し通し、捕鯨を続けている。IWCでは、捕鯨国と反捕鯨国の勢力が張り合っている状況だ。しかし、日本はあくまで科学的研究を積み重ねて、クジラの資源回復を国際社会にアピールする立場だ。
Q 判決を受け、日本政府はどう対応するの
A 水産庁は4月2日、14年度の南極海での調査捕鯨を断念した。今後再開できたとしても、根強い反捕鯨の国際世論もあり、規模の縮小は避けられない見通しとなった。
Q クジラが食べられなくなるの
A 和歌山県太地町などでは、IWCの規制対象外の小型鯨類を沿岸で捕っている。捕鯨国からも輸入しており、すぐに食べられなくなる事態は避けられそうだ。しかし、国内でのクジラの消費量は減少傾向にある。