新たな万能細胞とされた「STAP細胞」論文の共著者の一人である理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の笹井芳樹副センター長(52)が4月16日、都内で会見し、論文が疑惑を招いたことについて「心からおわびする」と謝罪した。その上で、「STAP現象は現在最も有力な仮説と考える。STAP細胞を前提にしないと説明できないデータがある」と語り、その“存在”を信じる姿勢を示した。笹井氏は小保方晴子(おぼかた・はるこ)研究ユニットリーダー(30)の論文執筆を指導した上司にあたる。理研の調査委員会の報告書では「重大な責任がある」と認定された。
若山氏が見てると…
「疑惑を招く事態となったことをおわびする」。ダークスーツに白いシャツ姿で記者場に現われた笹井氏は、5秒以上深々と頭を下げた。公の場に姿をみせるのは、1月末に小保方氏とともに英科学誌ネイチャーに掲載された論文について発表して以来初めてだ。
報告書で不正と認定された小保方氏による画像の切り貼りなどをチェックできなかったことについて、「責任を強く感じる」と陳謝。小保方氏に対しては「論文の過誤や不備を見抜けなかった。アドバイザーとして足りないところがあり、わびたい」と、かばった。