共同記者会見を終え、握手を交わす安倍晋三(しんぞう)首相(右)とバラク・オバマ米大統領。成果を得てもなお微妙な「シンゾー」「バラク」関係だ=2014年4月24日、東京都港区元赤坂の迎賓館(代表撮影)【拡大】
「ぜひバラクと私で、これまでで一番良好な日米関係を築いていきたい」
安倍首相は記者会見でこう述べ、オバマ氏との親密さと日米同盟の強固さを強調した。ただ、「これまで首相に腫れ物に触るように接してきた」(政府高官)というオバマ氏と、一気に距離を縮めるまでには至らなかったようだ。
米国では、安倍首相が就任した2012年12月以前から、中国、韓国や日本の左派・リベラル勢力が米政府や議会、主要メディアなどに「安倍氏は危険なナショナリストだ」との印象を植え付ける情報宣伝活動を実施していた。当然、オバマ政権もその一定の影響を受けているとみられる。
今回の首脳会談では歴史認識問題は話題にならなかったが、安倍首相は会談でもその後の記者会見でもわざわざこう言及した。
「日本は先の大戦の終戦から70年間、ひたすら平和国家として歩んできた」
これも、オバマ氏やその政権の安倍政権や日本に対する誤解や偏見が払拭されていれば、今さら言う必要がない言葉だったはずだ。両首脳はまだ、慎重に手探りしながら相手との間合いを詰めている段階だ。(SANKEI EXPRESS)