イラクでは沈静化していたイスラム教の宗派対立を背景とするテロが再燃。非政府組織(NGO)イラク・ボディー・カウントによると、昨年(2013年)の市民の犠牲は9500人を超え、06~07年のような内戦状態の再来が懸念される。首都では(4月)25日、シーア派系政党の選挙集会での爆弾テロで少なくとも31人が死亡した。
マリキ政権は掃討作戦を展開するが、ファルージャなどでは武装勢力と一進一退の攻防が続く。選挙期間中に大規模テロを許せば、支持離れにつながる可能性もある。
ただ、近年の選挙では政策より、候補者がどの宗派、民族かが重視されており、人口で多数を占めるシーア派の支持を受け、マリキ氏が率いる「法治国家連合」が勝利するとの見方が強い。
スンニ派は主要な政治勢力が分裂状態で、票が割れることが予想されるほか、一部の急進的な指導者は選挙のボイコットを呼び掛けている。
政治学者のカラウィ氏は「宗派間の真剣な和解が必要だが、選挙後も政治は停滞し、対立は深まるだろう」と悲観的な見通しを示した。(共同/SANKEI EXPRESS)