長らく英国の植民地だったジャマイカが独立し、今年で52年。国の経済を支える一大産業である観光シーンは、新たな局面を迎えようとしている。巨大なクルーズ船が停泊し、大小のビーチリゾートが立ち並ぶ、北側の海岸沿いを巡った。
≪ルーツは違えど「楽園」に境界線なし≫
ジャマイカという国はそもそも、15世紀以降欧米からやってきた入植者と、アフリカから連行された黒人奴隷の歴史の上に成り立っている。入植者は、さとうきびやコーヒー畑で奴隷を働かせ、集めた農作物で富を得てきた。そんな奴隷制度が廃止されたのは1807年のこと。1962年には、長らく植民地化されていた英国からの独立も果たした。かつての入植者と奴隷は今、宿泊ゲストと従業員という異なる関係で、新しい文化を築いている。
オーチョリナスの老舗リゾート「Jamaica Inn」は、各国のロイヤルファミリーが訪れる高級ホテルでありながら、スタッフとゲストがオープンに打ち解けていて意外な印象を受ける。