3Dで一緒にいるような感覚に
モリス監督が3Dの撮影手法を選んだのは、「観客に対し、実際に映像の世界に一緒にいるような感覚を経験をしてもらう最善の方法」と考えたからで、さらにその目指す先には「観客が個人的な体験をした気持ちとなり、さらに自然界と一体となり、自然界と通じ合う存在にまでなってほしい」との願いがあった。だからこそモリス監督は、これまで手がけた作品でも臨場感を大切なものとしてきたし、例えば「カメラワークは常にめまぐるしく動かすようにするとか、頭を悩ませてきたわけです」と、思いだしたかのように言葉を継いだ。
原題を「Enchanted Kingdom 3D」と命名したのもうなずける。「地球や自然界に備わっている不思議な魔法に目を向けるきっかけになってほしい。冒険映画にしたかったんですよ」。そんなモリス監督の思いがあればこそ、重さ計2.4トンの3Dカメラ機材を126人のスタッフとともに標高5199メートル、氷点下のケニア山の山頂付近まで運ぶことなど“朝飯前”なのだ。5月2日、全国公開。(高橋天地(たかくに)/SANKEI EXPRESS)