サスペンス映画の巨匠、アルフレド・ヒチコック監督。その「恐怖表現」に大きな影響を与えたとされるホロコーストを描いたドキュメンタリーが公開される=1968年撮影(AP)【拡大】
英国が生んだサスペンス映画の巨匠、アルフレド・ヒチコック監督(1899~1980年)が製作に関わったナチス・ドイツによる「ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)」のドキュメンタリー映画が修復され、完全版として初公開されることになった。1月8日付英高級紙インディペンデントが報じた。
ヒチコックは作品の製作時に目にした残虐な映像に強い衝撃を受け、その後の映画製作における「恐怖表現」に大きな影響を与えたとされる。公開作品は、ホロコーストを後世に伝える歴史資料としてだけでなく、映画史に足跡を残したヒチコックの“原点”としても注目される。
最新技術で完全版復元
完全版は第二次世界大戦終結70年となる2015年を前に、映画館やテレビ放送などで公開される予定だという。「収容所の記憶」と題されたドキュメンタリーは、英軍とソ連軍がドイツのベルゲン・ベルゼン強制収容所で実際に撮影した映像を基に製作された。