ただ、時には“女性”を武器にすることもいとわない桜井の役どころを踏まえ、監督からは「もっと女っぽい部分を出してみて」と事細かに感情表現でアドバイスをもらった。例えば、桜井が元恋人でもある主人公(吉岡)との再会を懐かしむ場面では、荒っぽくギスギスとした雰囲気はなじまないというのだ。「私は男役出身ということもあり、桜井の女性的な部分を感じさせないように、キビキビと表現していこうと考えていたんですよね。でも、作品にはきつい表情の桜井智子ばかりだけではなく、女っぽい表情の“智子ちゃん”もあります。そこも楽しんでもらえたらうれしいです」(文:高橋天地(たかくに)/撮影:財満朝則/SANKEI EXPRESS)
■まとぶ・せい 1976年10月13日、神奈川県生まれ。元宝塚歌劇団花組トップスター。2011年に退団後、映画、テレビ、舞台などで活躍。映画「相棒 -劇場版III- 巨大密室! 特命係 絶海の孤島へ」(公開中)など。13年には「テレビでフランス語」(NHK Eテレ)にも出演。