クラゲからGFPという蛍光物質を発見した下村脩(しもむら・おさむ)先生が、ノーベル化学賞を受賞されたのも、流し場に捨てた廃液が光ったことを見逃さなかったからです。抗がん剤のプラチナ製剤も、実験中に電極に使ったプラチナの回りの大腸菌への効果から偶然発見されたことを『知らずに飲んでいる薬の中身』(祥伝社新書)という本でご紹介しました。
神経細胞がネットワークを組んで作り上げている脳を透明化すると、さまざまな利点があります。神経細胞の活動を光らせる試薬を脳に与えておくと、さざ波のように輝きが移動する様子が生きたまま観察されます。動画も公開されています。私たちの脳も、こういった活動のさざ波を繰り返していることでしょう。セレンディピティから始まった脳を可視化する技術は、人に深い感動と科学への理解を与えてくれます。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS)