最新作「はかりしれない」は、シュールな和テイストのジャケット写真に驚かされるが、音楽的にはUKポップやブルックリンのインディーズシーンなどにも通じるキャッチーな内容。バンドとプログラミングをバランス良く駆使した手作り感のあるサウンドと、キュートな歌声が見事にマッチしている。ジョージ・マイケルのナンバーや映画「アメリ」の主題歌をポルトガル語でカバーしているのもなかなか面白い。
静かでソウルフル
もうひとりの注目株は、チガナ・サンタナ。アフロ・ブラジルの故郷といってもいい北東部バイーア州出身で、ソウルフルなボーカルを武器にギター弾き語りをメーンとするシンガー・ソングライターだ。彼はブラジルだけでなくヨーロッパでも人気があり、新作「ジ・インヴェンション・オブ・カラー」もスウェーデンのストックホルムで録音されている。そのためか、どこか静けさを感じさせる作風が特徴で、変則チューニングを施したギターに乗せた内省的な歌声が胸を打つ。また、アフリカの弦楽器コラをフィーチャーするなど自身のルーツを大切にしながら新しい世界観を打ち出しているのがポイントだ。(音楽&旅ライター 栗本斉(ひとし)/SANKEI EXPRESS)