工房集を訪ね、同じく作品に魅せられた窪さんは何度も通った。「どうすれば作品を生かして、おしゃれな商品がつくれるのか」と、デザイナーと話し合い、12年にコラボ商品が実現した。
第1弾は田中悠紀さんの作品「茶太郎」をコットンのブロード地にプリントしたボタンダウンシャツ。茶太郎は田中さんが生活しているグループホームで飼われている犬だ。田中さんは、大好きな茶太郎をずっと描き続けている。
工房集のスタッフ小和田直幸さんは「コミュニケーションが苦手な彼らにとって、表現することは生きるための切実な行為。だから人の心をつかむのだと思う」と語る。
変な平等主義に違和感
商品化する作品を選ぶ基準について、窪さんは「売れないと意味がない。売れそうなものを選んでいる」と言う。商品として世に出るのは、一部のアーティストの作品だけ。