引退セレモニーで挨拶する竹本住大夫(すみたゆう右)=2014年5月26日午後、東京都千代田区の国立劇場(三尾郁恵撮影)【拡大】
住大夫さんは1946(昭和21)年に豊竹古住(こすみ)大夫を名乗って初舞台を踏み、85年に七世住大夫を襲名。89(平成元)年には人間国宝に認定され、名実ともに太夫のトップとして文楽を支えてきた。
4月に行われた地元・大阪の国立文楽劇場での最後の公演は、84年の開場以来、2部制公演としては最高となる約2万9900人を動員。東京公演も連日満員となった。
「文楽は初めて、というお客さまが多かった。住大夫師匠の引退が話題になったことで、一度文楽を見てみようという人が来てくださったのでは」と話すのは、大阪の国立文楽劇場の桜井弘支配人(59)。「この観客層をぜひ次につなげなければならない」と気を引き締める。大阪の国立文楽劇場の7、8月の公演では、映画やドラマ化されるなど現代性の強い「女殺油地獄(おんなころしあぶらのじごく)」を上演。「現代のお客さまはドラマ性重視。今後はそういう方向も視野に入れて演目を決定したい」と、“住大夫効果”で獲得した新規ファンのつなぎ留めに力を入れる。