5月28日、首都ストックホルムで行われた3日目の日朝外務省局長級協議を終え、記者団に囲まれる北朝鮮の宋日昊(ソン・イルホ)朝日国交正常化交渉担当大使。翌29日、北朝鮮はすべての拉致被害者の再調査を約束した=2014年、スウェーデン(ロイター)【拡大】
日朝両政府は2008年に拉致被害者の再調査を行うことでいったん合意したが、その後北朝鮮が一方的に調査をほごにした経緯がある。松木薫さん=拉致当時(26)=の姉、斎藤文代さん(68)は「08年のときの再調査がうまくいかなかったので、今度は誠意ある調査に期待したい」と話す一方で、「(北朝鮮は)とにかく誠意をみせてくれないといけない」とくぎも刺した。
これまで偽の証拠を出すなど不誠実な対応を繰り返してきた北朝鮮。家族の中には調査がしっかりと実施されるのかについて不安感も強い。
松木薫さんの弟、信宏さん(41)は「調査が始まったとしても、家族の考えているスタートラインにも立っていない。死んでいるという家族が生きているという状況になって初めて救出へのスタートラインに立てる。家族の姿が見えない状況では喜ぶことはできない」と訴えた。
特定失踪者も対象
再調査では、政府が認定する安否不明の拉致被害者12人のほか、拉致の可能性が排除できない特定失踪者も対象に含まれる。これまで北朝鮮との交渉で取り上げられることがほとんどなかったため、家族は再調査に事態進展への望みを託している。