5月28日、首都ストックホルムで行われた3日目の日朝外務省局長級協議を終え、記者団に囲まれる北朝鮮の宋日昊(ソン・イルホ)朝日国交正常化交渉担当大使。翌29日、北朝鮮はすべての拉致被害者の再調査を約束した=2014年、スウェーデン(ロイター)【拡大】
1973年に千葉県で失踪し、拉致問題に取り組む「特定失踪者問題調査会」が「拉致濃厚」とする古川了子(のりこ)さん=失踪当時(18)=の姉、竹下珠路さん(70)は「今回でようやくスタートラインに立てたという気持ち。特定失踪者の家族として、今までにない一歩だ」と喜んだ。
74年に新潟・佐渡島で行方不明となり、同じく「拉致濃厚」とされている大沢孝司さん=失踪当時(27)=の兄、昭一さん(78)は「一歩前進だと思っている。一刻も早く調査が始まり、私の弟が生存しているという情報が出てくればと願っている」と話した。
≪日本は毅然とした態度で≫
■早稲田大学国際教養学部の重村智計(としみつ)教授(68)の話 「北朝鮮が再調査に合意したことは拉致問題解決に大きな進展だ。これは、北朝鮮内の経済状況が危機的状況にあることを物語っている。食糧や石油がなく外貨が入ってこない現状をすぐにでも打開したかったのだろう。日本側が、北朝鮮が再調査を約束しなければ日本も何もしないという立場を貫いた結果だ。日本政府は北朝鮮の立場が弱いということを理解して、交渉決裂も辞さない覚悟で臨むべきだ」