今回で中田監督とのコンビは2作目となる。「『男』というキャラクターに関しては、監督からいただいた大事な役どころだと思っています。自分の目を使って他者を操り、世界を制するという、これまた特殊なキャラクターを表現することは確かに難しいですよ。でもそれこそが中田監督の世界観にマッチしたものでもあるわけです。相談を重ねながら、丁寧に作り上げていきました」。中田監督がどのように作品を構築していくのか、間近で確認することが楽しみだったそうで、迷いが生じたら、あれこれ考えず、まずは現場に入ってしまおうと腹をくくっていたという。
正直に言えば、自分の演技に確信が持てなかったときもあった。人間を操る際の目の表情がそうで、藤原は「合成カットも多かったので、出来上がった映像を見てみないと、何とも判断がつかなかった」と振り返る。中田監督の熱の入れようは半端ではなかった。「一つの場面で何十カット、何十枚も、僕の目の表情を撮ってくれました。『竜也君、もっと目を見開いて』『もっと感情的に』『もっと攻撃的に』『もっと見たい、見たい』と言って、中田監督は撮影してくれたんです」。はしゃぐといったら語弊があるかもしれないが、撮影を楽しんでいる姿はまるで映画少年のようで、それを見ていると、藤原たちも自然と頑張ろうという気持ちが高まっていった。