何事も斜に構えて
山田との初共演も心待ちにしていたそうだ。「終一は『男』に絶対的に操られることなく、考え方もまったくぶれない、心の強い男という設定です。僕が抱いていた山田君のイメージそのままでした」。山田の演技を見ていてなかなか真似はできないと痛切に思ったのは、とてつもなく長い間、緊張感を持続させることができることだった。「終一は最初から最後まで追い詰められて、僕の暴走を止めて、大切な人を守らねばならないわけです。山田君は一緒にいて頼もしかったし、強い男そのものでした」。藤原は脱帽といった風情だ。
本作では徹底した性善説に立つ終一が、「男」の胸にかすかに残っている良心を掘り起こしていく。藤原の人間観は意外にも「男」と同様、「屈折」がキーワードらしい。「僕は根が悪いやつだからなあ。基本、何事に対しても斜に構えてしまう。ストレートには対峙(たいじ)しないですよ。でも、僕の屈折した部分は自然と演技に出てきて、映画や演劇にも反映していると考えています」