【「感謝」2013年】木梨憲武(のりたけ)さんの作品は生命力あふれる木々や花をモチーフにしたものが多い。ブーケの花がキャンバスをはみ出し、壁にまで広がる(提供写真)。(C)NORITAKE_KINASHI【拡大】
≪ユーモアいっぱい 「ノリさん」ワールド≫
生命力あふれる木々や花の作品が多い。「感謝」(2013年)はブーケの花がキャンバスをはみ出し、壁にまで広がる。また、新作「春のにおい」(14年)など、移ろう季節と自然への感謝にあふれた作品も力強い。
展示室は「とんねるずのノリさん」の芸風同様、明るく軽やか、ハッピーな空気。隅に木梨さんそっくりの女性監視員(もちろん人形!)が座っていたりと、随所にユーモアやいたずらも。馬券の裏や帽子に描いた絵も楽しい。また、手と手を描いた「REACH OUT」シリーズ、極細ペンで何百人もの友達を描いた「Friends」(03年)には、人とのつながりを大切にしてきた木梨さんの姿勢があらわれている。
こうした広い交友から生まれたコラボレーションも見どころ。ひときわ目をひくのが、彫刻家・山本麻璃絵(まりえ)さんと制作した「heavenly bird-天国の鳥」(14年)。高さ約3メートルに及ぶ木彫だ。さらにビーズアーティスト、田川啓二さんとの美しい共作のほか、妻で女優の安田成美さんや息子たちとの心温まるコラボレーションも。終始ポジティブな憲武ワールドは、難しい芸術解釈を超えて、見る人に元気を与えてくれるだろう。(EX編集部/SANKEI EXPRESS)