その上で、「相手の良さを消すということは一つの作業としてある。ただ、(そのために)自分たちの良さが消えるというなら、どちらを優先するか。そこはチームとしての統一感は見失っていない。自分たちの道はみえている」と言い切った。ボールの保持時間を長くして主導権を握り、打ち合いをも制する攻撃的サッカーを貫く決意表明だった。そこには、相手との力関係を踏まえて大会直前になって戦術を超守備的に切り替えた前回の南アフリカ大会とは違った姿を見せる、という強い思いがにじんだ。
異例のお願い
この日、インタビューの前には居残りでFK練習を繰り返すなど、本田は「自分の長所を出す作業」に集中した。裏腹ではあるが「今のチームは自分だけではなく他の選手も点を取れる力がある。それだから自分の作業に集中できる。それがチームへの信頼の証し」と仲間への思いを口にした。
冒頭に触れた本田らしくない“異例のお願い”は、弱気とも受け取られかねないが、チームを勝たせたい一心の表れなのだろう。「メディアの皆さんとは持ちつ持たれつなんで、感謝している時もあれば腹を立てている時もある。それはお互い様でいいんじゃないかと思う。ただ、今からはね、我々の一員として一緒に戦ってほしい」。1次リーグ突破には、日本総動員体制で臨むことが不可欠だと、訴えているかのようだった。