就任2年目に入ったナワズ・シャリフ首相(64)率いる政権がこれまで、TTPとの「対峙」と「和平交渉」で、どっちつかずの態度をとり続けたことも問題だった。この点について、6月11日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、シャリフ氏がTTPとの交渉を通じて和平を模索したことへの「(TTPの)回答がカラチだった」と指摘。「過激派は国家を転覆させ、核兵器を入手したがっている」として和平交渉に否定的な見方を示す。また、「パキスタンのエリート層はインドからの侵略に気をもんできたが、実際は内なる侵略を招いてきた」と指摘する。
いまだにインド謀略論
それでも閣僚や軍幹部からは相変わらず、「カラチ空港襲撃の背後にインドの存在がある」との発言が出ている。これに対し、パキスタン国内では「治安態勢と人員の総取り替えが喫緊の課題であることをわからせるために、もっと証拠が必要なのか? 断固とした行動を取る前にもっと多くの遺体が積み上げられなければいけないのか?」(ドーン紙)との声も上がっている。