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「歌曲王」の作品、魅力探る 夭折の天才 シューベルト再発見 月刊音楽情報誌「モーストリー・クラシック」8月号 (2/3ページ)

2014.6.25 16:05

シューベルトの友人たちの「シューベルティアーデ」はサロンで開かれた(Julius_Schmid作、1897年、提供写真)

シューベルトの友人たちの「シューベルティアーデ」はサロンで開かれた(Julius_Schmid作、1897年、提供写真)【拡大】

  • クリムト作の「ピアノを弾くシューベルト」(1899年)。作品はインメンドルフ城に保管されていたが、1945年、ナチスが撤退するさいに城に火を放ち、焼失。写真だけが残された(提供写真)
  • 月刊音楽情報誌「モーストリー・クラシック」(8月号)。発売中(提供写真)

 シューベルトは1797年、ウィーン近郊のリヒテンタールで生まれた。父親テオドールはモラヴィアの農家の出身だが、補助教員からこつこつと働き、初等学校の校長に上り詰めた。父親の手ほどきで音楽をはじめ、才能を認められ、宮廷直属の全寮制神学校コンヴィクトに入学する。ちなみに、入学を推薦したのは映画「アマデウス」でモーツァルトを毒殺した(もちろんフィクション)宮廷楽長のサリエリだった。

 有能な官吏や芸術家を輩出したコンヴィクトでは、少年合唱隊員として宮廷教会で合唱する義務を担う。これが現在のウィーン少年合唱団の前身だ。このコンヴィクト時代の友人や、シューベルトの音楽を愛する人たちで作られたグループが「シューベルティアーデ」。シューベルトの作品はもっぱら、ディレッタントが集まるシューベルティアーデで発表された。

 交響曲「未完成」の謎

 ところで、オーケストラのレパートリーとして人気の高い交響曲第7番「未完成」。本人が付けたわけではないが、「未完成(英語ではアンフィニッシュド・シンフォニー)」というタイトルが意味ありげに想像力をかき立てる。

シューベルトの弦楽五重奏曲

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