日本には約1500兆円の個人金融資産があって、その6割を60歳以上の高齢者世帯が所有しているとされる。この「宝の山」に群がるのはオレオレ詐欺といった犯罪集団から金融業者や不動産業者などのまっとうなビジネスまでさまざま。
国民生活センターの2013年末のまとめによれば、65歳以上の高齢消費者トラブルは6年連続で増加、相談全体の3割に上っている。商取引上における商品情報などの非対称性を考えれば、十分な配慮を求められるべきは業者側であろう。
その高齢女性によれば、百貨店に行くと窓のないVIP専用の部屋に通されて商談となるそうだ。そんな場所ではなかなか断るのは難しい。百貨店側は、顧客からの要請があって初めて商品の説明をするなど、霊感商法まがいといわれないような矜持(きょうじ)が必要ではないか。(気仙英郎/SANKEI EXPRESS)