東京地方検察庁で開かれた捜査と公判の改革を議論する法制審議会の特別部会=2014年4月30日午後、東京都千代田区霞が関(共同)【拡大】
捜査と公判の改革を議論する法制審議会(法相の諮問機関)の特別部会が4月30日開かれ、法務省が法改正のたたき台となる試案を示した。取り調べ全過程の録音・録画(可視化)を義務付ける一方、取調官の判断で除外できるなど幅広い例外を規定。可視化の対象は「裁判員制度対象事件」(A案)と「A案に加え全事件での検察取り調べ」(B案)の2案を併記した。
通信傍受の対象事件は大幅に拡大され、殺人や放火なども追加。法務省は夏までに議論を取りまとめて来年の通常国会に関連法案を提出したい考えだ。この日の部会では委員から「不十分」との意見が相次いだため、法務省は6月以降の部会で修正案を提示する方針。
試案では、AB両案とも逮捕した容疑者の取り調べから終了まで全てを可視化するよう警察や検察に義務付けた。その上で(1)機材の故障(2)容疑者の拒否(3)容疑者の言動から十分な供述を得られないと判断したとき(4)供述が明らかになれば容疑者や家族に危害が及ぶ恐れがあるとき(5)暴力団事件-を例外とした。