JR北海道の一連の主なトラブル=2011年5月27日~2014年2月10日【拡大】
JR北海道のレール検査データ改竄(かいざん)問題で、国土交通省は2月10日、鉄道事業法違反罪で、改竄に関わった当時の社員と法人としてのJR北海道を北海道警に刑事告発した。運輸安全委員会も10日、事故調査を妨げたとして、運輸安全委員会設置法違反罪で刑事告発。道警はいずれも告発状を受理、本部に対策室を設置し、160人態勢で本格捜査すると明らかにした。
鉄道会社がこれらの法律違反で刑事告発されるのは初めて。国交省の特別保安監査では、社員の間で証言の食い違いがあり、JR北海道の組織的関与を完全に立証できなかったのが実情だ。不正行為が横行した組織風土の解明には、JR北海道特有の労使関係の実態把握が必要との指摘もあり、捜査の行方が注目される。
多数の社員が関与
国交省によると、告発対象は(1)昨年(2013年)9月19日にJR函館線大沼駅構内で起きた貨物列車脱線事故をめぐり、管轄する大沼保線管理室の社員らが、39ミリと記録された現場付近のレール幅の広がりの数値を事故直後に25ミリに改竄するなどした(2)函館保線管理室の社員らが昨年9月25日、国交省の特別保安監査が翌日に入るとの連絡を受け、修理基準値を超えていた実際の検査データを基準値内に書き換えた-とされる2点。