JR北海道の一連の主なトラブル=2011年5月27日~2014年2月10日【拡大】
JR北海道では、44部署ある現場の保線部署のうち7割超の33部署で改竄が確認されているが、国交省は告発対象の選定理由として、事故直後に実態を隠そうとしたり、特別保安監査の前日に改竄したりしたことの悪質性を挙げた。
国交省と運輸安全委は、多数の社員が改竄に関わっているため会社組織としての刑事責任を問うべきだと判断した。ただ、改竄に関与した社員を厳密に特定するのは困難として、容疑者不詳として告発した。
「労使関係も影」
国交省はデータ改竄が発覚した昨年(2013年)11月以降、無期限での特別保安監査に切り替え、保線担当者らに集中的にヒアリングを実施。函館線大沼駅構内での貨物列車脱線事故直後に行われた改竄への関与者は、約10人に上ることが判明した。ただ、指示系統については、大沼保線管理室の一部社員が「(上部組織である)函館保線所の管理職級社員に指示された」という趣旨の証言をしたのに対し、函館保線所の管理職級社員は「数値の改竄は指示していない」などと否定しており、指示系統の全容解明に課題が残ったままだ。