広島沖、穏やかな朝
1月15日午前8時ごろ、広島県大竹市の阿多田島沖の瀬戸内海で、海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」(8900トン、艦長・田中久行2等海佐)と釣り船が衝突し、釣り船が転覆した。船長と釣り仲間3人の男性計4人が海に投げ出され、おおすみと付近にいた作業船が救助したが、船長と男性1人が意識不明の重体。残る2人にけがはなかった。
現場は船舶の航行が多い海域。晴れで波も穏やかだったという。運輸安全委員会の船舶事故調査官は現地での調査を開始。第6管区海上保安本部(広島)は、業務上過失往来危険容疑で、おおすみの乗組員とけががなかった釣り船の2人から事情を聴くなどして事故の状況を調べている。
6管本部によると、両船は行き先からみて同じ方向に航行し、並走していた可能性がある。おおすみの左舷中央後部に衝突の痕跡のようなものを確認。防衛省関係者によると、左側を航行していた釣り船をやりすごそうと減速後、事故が起きたとみられる。