欧米側の妥協はこれにとどまらない。ロシアの拒否権行使を避け、採択を急ぐため、安保理会合で幾度も指摘した親露派に対する「ロシアの軍事支援」への言及も盛り込まなかった。
採択後の演説でロシアのチュルキン国連大使は、ウクライナ軍が2001年、シアのシベリア航空機をミサイルで誤って撃墜した事故に触れ、ウクライナが「国際調査を主導するのはふざけた話」と牽制(けんせい)した。さらに、親露派とロシアの情報将校の会話としてウクライナが公表した録音について、信憑(しんぴょう)性を真っ向から否定した。
安保理決議は国際調査にウクライナ政府、ICAOのほか、犠牲者を出した国や航空機の設計、製造、運用に関わった国などの専門家が参加するとしているが、詳しい構成や調査日程は不明だ。
米情報当局は「ロシアが提供した高性能の地対空ミサイルで、親露派が撃墜したとの見方を強めている」(ウォールストリート・ジャーナル紙)とされ、動かない「証拠」を突きつけることができるかどうかが問われる。(共同/SANKEI EXPRESS)