ウクライナ・ドネツク州、ルガンスク州。※2014年3月18日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は首都モスクワのクレムリン(大統領府)での演説で、ウクライナ南部クリミア自治共和国と特別市セバストポリのロシア連邦への併合を宣言した。【拡大】
ウクライナ東部の2州で行われた「住民投票」で、親ロシア派勢力は5月12日、「国家としての自立」に圧倒的多数が賛成したとして両州の独立を宣言した。また、ドネツク州の親露派はロシアに編入を検討するよう求める声明文を出した。
混乱が深まる中、ドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー外相(58)は13日、ウクライナ入りして暫定政権と親露派勢力との対話を仲介する見通し。
親露派は投票結果を受け、両州が「主権国家」である「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」になったと宣言。「ドネツク人民共和国」はさらに、「人民の意思に基づき、歴史的正義を回復するため」としてロシアに編入の検討を要請した。
一方、ルガンスク州政府は13日、「圧倒的多数の住民が自決権に賛意を示した」とし、ウクライナ暫定政権が国の政体を早急に「連邦」とすることが国を保全する「唯一の選択肢にして最後のチャンスだ」とする声明を出した。
一方、ジェイ・カーニー米大統領報道官(48)は12日の記者会見で、住民投票について「違法であり、ウクライナをさらに分断し、無秩序をもたらす明白な試みだ」と非難した。投票では、重複投票や事前に印が付けられた投票用紙の使用、子供による投票などがあったと指摘し、投票結果を「認めない」と強調した。