ウクライナ・ドネツク州スラビャンスク【拡大】
ウクライナ軍は5月2日、親ロシア派武装勢力が治安機関の施設などを占拠する東部ドネツク州スラビャンスク近郊で、強制排除に向けた大規模な軍事作戦を開始した。軍のヘリコプター1機が撃墜され、インタファクス通信によると少なくとも兵士1人が死亡した。戦闘で武装勢力側にも死傷者が出ているもようだ。ロシアは声明で、暴力の自制などを求めた4月のジュネーブ合意の「最後の希望」が絶たれたとしており、軍事的緊張が高まる恐れもある。
軍事作戦は2日早朝に始まった。暫定政権によると、ウクライナ軍はスラビャンスク近郊のクラマトルスクなどで武装集団が設置した検問所9カ所を奪還した。上空を旋回していた軍のヘリ3機のうち、1機が地対空ミサイルにより撃墜された。
ロシア通信によると、クラマトルスクの付近には軍の装甲車15台が配備されているが、地域住民が包囲して移動できない。内務省は住民らに外出しないよう呼びかけているが、武装勢力は一般住民の家屋に潜伏するなどしており、攻撃できない状況にあるという。