ウクライナ・ドネツク州スラビャンスク【拡大】
検察庁前で襲撃を見守っていたという会社員、ビターリ・ツィングルさん(29)は「われわれは、暫定政権側が名づける『テロリスト』でも『分離主義者』でもない。あいつらも首都キエフの政府庁舎を占拠して、政権を乗っ取ったではないか」と声を荒げた。
ドネツクはウクライナ最大の工業都市。ソ連時代から石炭、鉄鋼業などで栄え、この地区で得られる税収入は、国家全体を支えてきた。住民らによれば、検察庁の占拠は失業者や生活困窮者らが中心になって行われ、安定した収入のある中・高所得者層は遠巻きにして見守っていたという。
しかし、スラビャンスクなどウクライナ東部で強硬制圧を進めようとする暫定政権側への反発機運が、中・高所得者層にも広がり始めている状況だ。親露派勢力はウクライナからの分離独立も視野に、住民投票実施を11日に計画している。
一方の暫定政権は25日に大統領選を全土で行う構えだが、現状では東部での実施は不可能だ。(ドネツク 佐々木正明/SANKEI EXPRESS)