1945年2月、ヤルタ会談が行われたリバディア宮殿。ここで第二次大戦後の世界秩序が決められた=2014年3月24日、ウクライナ・クリミア半島ヤルタ(佐々木正明撮影)。※2014年3月18日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は首都モスクワのクレムリン(大統領府)での演説で、ウクライナ南部クリミア自治共和国と特別市セバストポリのロシア連邦への併合を宣言した。【拡大】
【Viva!ヨーロッパ】
ウクライナ危機のあおりをうけて、外務省から渡航延期、早期退避勧告がでてしまったが、ウクライナ南部クリミア半島は黒海沿岸随一の観光名所だ。海あり、山あり、草原ありの風光明媚(めいび)なその絶景は、出会う度に、思わず感嘆のため息をもらしてしまうほどだ。
ロシアに来るのなら、きっと多くの人が手にしているガイドブック「地球の歩き方」ロシア版にも、更新の度に新情報が盛り込まれ、クリミアのことが必ず紹介されている。それでも日本人には観光先としてはなじみの薄い地域とも言えるが、現代史の舞台となった都市、ヤルタのある半島といえば納得される方も多いだろう。
ヤルタ会談
ヤルタは第二次世界大戦末期の1945年2月、ソ連のヨシフ・スターリン首相(1879~1953年)、米国のフランクリン・ルーズベルト大統領(1882~1945年)、英国のウィンストン・チャーチル首相(1874~1965年)が一堂に会し、戦後体制を話し合った場所である。ソ連軍の対日参戦を促す秘密協定が結ばれ、北方領土問題が生まれる端緒にもなった。