1945年2月、ヤルタ会談が行われたリバディア宮殿。ここで第二次大戦後の世界秩序が決められた=2014年3月24日、ウクライナ・クリミア半島ヤルタ(佐々木正明撮影)。※2014年3月18日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は首都モスクワのクレムリン(大統領府)での演説で、ウクライナ南部クリミア自治共和国と特別市セバストポリのロシア連邦への併合を宣言した。【拡大】
会場となったリバディア宮殿は現在は博物館として一般公開されている。3巨頭が一握りの官僚や通訳と一緒に座った円卓がそのまま保存されており、たばこの煙が充満した当時の張り詰めた雰囲気が伝わってくるようだ。
一緒に展示されていたのは、会談後の45年2月13日付のソ連共産党機関紙「プラウダ」だった。歴史教科書にも登場する、3巨頭が談笑するかの有名な写真が一面に掲載され、題字横のスペースには声明の一文が抜粋されていた。
「われわれの断固とした目的は、ドイツの軍国主義とナチズムを打倒し、ドイツが今後、決して世界の平和を破壊することがないような保証の枠組みを作り出すことである」
ゴルバチョフ幽閉
こうして大戦後の世界秩序が決められた半島はその46年後、再び国際社会を大きく揺るがした大事件の現場となった。ヤルタから沿岸西方に車を走らせて約1時間。1000メートル級の山々の麓に静かな別荘群が見えてくる。