【国際情勢分析】
ウクライナ情勢が混迷を深めるなか、ロシアがウクライナ暫定政権への格好の攻撃材料としているのが、過激民族主義組織「右派セクター」の存在だ。2月の政変でヤヌコビッチ前政権を崩壊させる原動力となった右派セクターに対しては、暫定政権は容易に排除できないままでいる。反ロシアを声高に叫ぶ組織の代表が大統領選への出馬も表明するなか、右派セクターへのロシア系住民の懸念をあおるロシアの戦略は、暫定政権を確実に苦しめ続けている。
メンバーに軍事訓練
「キエフ(ウクライナ暫定政権)は、ナショナリストや過激主義者らを制御することも、武装解除させることも望んでいない」
ウクライナ東部スラビャンスクで4月20日未明、親ロシア派勢力と謎の武装勢力の間で衝突が発生し3人が死亡した。ロシア側は、武装勢力は右派セクター活動家らと断定し、そう非難した。