【佐藤優の地球を斬る】
4月24日に行われた安倍晋三首相とオバマ米大統領の日米首脳会談で、ウクライナ問題をめぐって米国はロシアに対する圧力を強めることを日本に強く求めてきた。25日に発表された「日米共同声明:アジア太平洋及びこれを越えた地域の未来を形作る日本と米国」で、ウクライナ問題については以下のように記されている。
<日米両国は、G7のパートナーと協調し、クリミアを併合しようとするロシアの違法な試みについて同国を非難し、また、その遺憾な行為について同国に対する更なる措置を緊密に協議しているとともに、同国に対し、ウクライナにおける緊張を緩和するよう強く求めている。日米両国は、共に、ウクライナの主権、領土の一体性及び経済的な安定を支援するための具体的な措置を講じている>
露に対するメッセージ
この記述は、同時にロシアに対する日本外交のメッセージにもなる。ポイントは以下の5点だ。
(1)日本は、G7と強調して、ウクライナ問題に対処し、対露政策を展開する。
(2)日本は、ロシアによるクリミア併合を違法と認識している。
(3)その遺憾な行為(クリミア併合)に対して更なる追加措置を協議する。
(4)ロシアに対し、ウクライナにおける緊張緩和を強く求める。
(5)ウクライナの主権、領土の一体性及び経済的な安定を支援するために具体的な措置を講じている。