【佐藤優の地球を斬る】
中国当局に身柄を拘束されていた東洋学園大学の朱建栄教授が、上海の実家に帰宅することが許された。
<昨年7月から上海で消息不明となり、中国当局に身柄を拘束されていた東洋学園大学(東京都)の朱建栄教授(56)について、同大学は24日、朱氏が解放され、今月17日に上海市内の家族宅に戻ったと発表した。健康状態は良好で、来月以降に日本に戻る見通しという。
同大学によると、朱氏は(1)研究者としての資料収集が中国の法令に触れていないか(2)相互理解を掲げた日中両国間での活動の内容-について、当局の調査を受けてきた。朱氏は同大学に対し、「研究者としての活動に不適切なものはなかった」との内容を述べた。
朱氏は1957年、上海出身。86年に来日し、同大学教授を務める一方、在日中国人研究者らで作る「日本華人教授会」の初代代表として、日中関係について活発な言論活動を行っていた。